Etymotic Research ER-4S レビュー#1
ついにEtymotic Research社のER-4Sを入手しました。ER-4Sといえばカナル型イヤホンの中でも最高峰のモデルであり、高音質を求めて行き着くのがER-4Sと言われるほど。マニアならずとも音楽好き、オーディオ好きにとって一つの究極かもしれません。
前からほしいと思っていたものの、やはりイヤホンに2万円以上の金額を出す勇気がなく、ここ2年はER-6で我慢をしておりました。いや我慢といってもER-6の音質は多くのポータブルプレーヤーに付属のイヤホンとは雲泥の差の音質でしたし、遮音性も非常に高かったです。
しかしやはりER-4Sのあこがれは強く、楽天のポイントがたまったこともきっかけとなり、ついにER-4Sを手に入れました。
といういことでさっそくレポートですが、まず入れ物が違いますね(笑)。通常のイヤホンはたいてい使い捨てのブリスターパックに入っているものですが、まるでちょっと良い腕時計のようなケース。スペアのイヤーピースもたくさん入ってます。


出荷状態で取り付けられているイヤーピースはなぜかSサイズのものでしたが、標準の3段フランジの方が自分に合っている(おそらく多くの方にとっても)ことがわかっていたので、すぐに付属の標準3段フランジに交換しました。おそらく、初めてこの手の本格的なカナル型イヤホンを使う方を考え、あえて最初は圧迫感の少ない(=遮音性の低い)Sサイズが装着してあるのでしょう。Sは1ペアのみでしたし。
で早速iPod Classicにつないで再生。ER-6に比べるとちょっと音量が取りづらいようで、若干音量を上げ気味にする必要がありました(後に慣らしが済んだらER-6と同レベルまで鳴るようになった)。が、驚いたのはその音質。新品状態で全くエージングされていない状態なのに音のクリアさ、すっきり感といったものがER-6を上回っていました。
さすがに最初は音も固く、ボリュームを上げないと音量がとれないなど鳴りきっていない感じもありましたが、iPodで連続再生で鳴らしっぱなしにしたり、電車などで何度も使用しているうちに本来の能力を発揮するようになってきました。
まず印象的なのが低音から高音まで実に自然で、どの音域も非常にフラットかつナチュラルであるということでした。持っているCDの9割以上がヴァイオリン曲ということもあり、高音域の音質を重視する傾向があるのですが、そんな僕でも高音域の音質は十分に満足出来るものでした。どんな高音でも透き通った音色が伸びていき、必要以上にキラキラと輝くこともないという理想的な音でした。
低音に関してはER-6よりも出ている印象を受けました。音もER-6に比べてかなり引き締まった低音で、ボケたような音は皆無です。ER-4Sは低音があまり出ないと言われていたわりには、普通にきちんと鳴ってくれます。
国産の多くのイヤホン&ヘッドホンがかなりのドンシャリですので、低音ズンズン高音ギラギラという音になれている方にとっては高音も低音も物足りないかもしれません。でも実際の生の演奏はそんなに低音がズンズン響くことはありえないですし、高音がやたらキラキラ輝かしいなんてこともありません。ER-4Sは原音に忠実であり、より本物の音に近いといえます。
もちろん、音楽のジャンルによっては原音に忠実であるかよりもとにかく迫力があった方が良いという場合もあるでしょうから、すべてのジャンルに合うかどうかはわかりません。しかしクラシック特にヴァイオリンにとっては実に理想的な自然な音であり、また奏者の細かい演奏のニュアンスまで再現してくれるのは素晴らしいものがあります。
また、原音がどうであれ良い音に変えてくれるということをオーディオに求める方にとっても、原音にとにかく忠実なER-4Sはつまらなく感じるかもしれません。が、本来ないはずの響きがイヤホンによって作られていたりするのもどうかと思いますし、僕は「余計な味がしない」某トマトジュースのような味が好きです。
しかしこんな立派な音が3万円前後で手に入ってしまうというのはある意味驚きです。オーディオはきりがなく、アンプとスピーカーで同じような音質を得ようとしたら数十万レベルではとても実現不可能でしょう。もちろんこんな小さなイヤホンに万単位のお金を投資する勇気というのはありますが、音と価格で純粋に考えたらこんなにコストパフォーマンスが良いものはあまりないでしょうね。
とここまで書くとべた褒めで欠点などないようですが、使い勝手や装着感など人を選ぶ部分もあります。音質以外の使い勝手や遮音性についてはまた書きたいと思います。
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