ニコラ・ベネデッティ
先日、BShiでニコラ・ベネデッティさんのリサイタルを観ました。
ベネデッティさんという奏者は今まで知らなかったのですが、とても親しみやすい演奏をする方でした。
曲はブラームスのソナタ1番とラヴェルのツィガーヌ。普通ならツィガーヌが見せ場になるところですが、印象的だったのはブラームス。最近は強気で圧倒するような演奏ばかり聴いていたためか、無駄な力の入っていないとても自然な演奏が非常に好感が持てました。
音色も非常に美しく、一つ一つの音をとても丁寧に歌わせていました。音の出し方、ピアニッシモの歌わせ方などは、最近の若手でもこんな演奏する人がいたんだと驚かされました。
最近はパワー指向というか、大音量、鋭い発音と大きくて速いヴィブラートで輝きのある音を出そうという奏者が多いです。国際コンクールなどでは他を圧倒する迫力のある演奏をする奏者が勝ち残っていますし、オーケストラをバックにコンチェルトを弾くと聴き映えがします。そういう方向に傾くのもわかる気がします。
しかし、ブラームスの1番のような曲を最初から最後まで美しく聴かせるベネデッティさんのような演奏も素晴らしいものです。好感が持てるというか、共感するような演奏で聴いていて心地よかったです。
リサイタルの演奏が良かったので、CDも購入してみました。
2ndアルバムだそうですが、メンデルスゾーンのコンチェルトにモーツァルト、シューベルトの小品が収録されています。ここでも聴かせ所はメンデルスゾーンよりもむしろその後のモーツァルト他の小品でした。
メンデルスゾーンはもう少し楽に弾いてくれた方が良さが出たような気がしましたが、モーツァルトは本当に素晴らしかったです。
E-durのアダージョはヴァイオリン教本にも出てくるような一見易しい曲ですが、これを「聴かせる」のは本当に難しいです。昔、教本で出てきたときはなんとつまらない曲だと思いましたし、今では曲は素晴らしいと思うものの弾くのには正直勇気が要ります。
しかしまだ20歳にもなっていないというのになんと見事な演奏。音楽をしっかりとらえ、そしてそれを作り上げるだけの音色の豊かさ。その後のシューベルトも良かったです。
このような演奏家がもっと評価されるようになるといいな・・・と思います。
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